私たちは何かを伝えた時に、相手は正確に受け取ってくれていると思いがちですが、実は私たちの話というのは、相手にほぼ伝わっていないと思っておいたほうがいいです。なぜなら、人は自分の聞きたいように話を聞いているからです。
例えばリンゴの話をしている時に、自分は赤いリンゴについて話をしているのに、相手は青いリンゴをイメージして、聞いているということがあります。これは相手の受け取る能力の問題ではありません。
今まで人と会話をしている時に、自分はそんなつもりで言ったのでは無いのに、相手が誤解して受け取ってしまったという経験がありませんか?私は何度もありました。その都度、相手の誤解を解こうとするのですが、誤解が誤解を呼び、大変になってしまったこともありました。
この経験から、自分の話したことが相手に100%伝わっているわけではない、ということを私は学びました。
そこで今は自分の発言に対して、相手がどう受け取ったかを確認するようにしています。少し面倒と思うかもしれませんが、この確認作業をすることで、相手の誤解の程度がかなり軽減されます。
確認の方法は、
「私の説明でご理解いただけたでしょうか?」
「何かご質問はありますか?」
というだけで大丈夫です。
相手が誤解をして受け取ったままにしておくと、誤解というのはどんどん大きくなっていくものです。あとで修正しようとすると、かなりのエネルギーと時間を要します。そうなるくらいなら、早い段階で修正改善したほうが、お互いのためにとても良いです。
このように会話というのは、話し手と聞き手にギャップが生じるものであるということを前提に持っていると、伝え方も変わりますし、相手が言っていることを、自分はどのくらい正確に受け取っているだろうかと、考えて聞くようにもなります。これだけでもコミュニケーションの質がかなり変わっていきます。
私たちは日常会話において、わかったつもりになって聞いていることがあります。わかったつもりになっていると、誤解が生じていても気づけずに、溝がどんどん深まってしまいます。
大変な状況にならないためにも、わかったつもりで聞かないということ、そしてこの人が一番伝えたいことは何か?というところにアンテナを立てて聞くことを心がけてください。
一字一句もらすことなく聞くというのではなく、相手が一番伝えたいことのキーワードを拾うような聞き方をすると、その人の本当に言いたいことが聞こえてくるようになってきます。
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