コミュニケーションが苦手な人に、コミュニケーションの理想をお聞きすると、ほとんどの人が、「いつでもどこでも誰とでも楽しく会話ができるようになりたい」「いろいろな話題で会話を盛り上げたい」と言われます。
しかしながら、「あなたは、いつでもどこでも誰とでも楽しく会話ができて、いろいろな話題で会話を盛り上げられますか?」と質問されて、「イエス」と答える人はどれだけいるでしょうか。
コミュニケーション研修講師をしている私でも、答えは「ノー」です。いつでもどこでもなんて無理ですし、いろいろな話題で会話を盛り上げられるほど、話題を持っていません。つまり、コミュニケーションが苦手な人は、理想が高いために、自分の首を絞めてしまっているのです。
自分のコミュニケーション能力をあげたいと思った場合、理想を考えるのもいいですが、他の方法として、最低限何ができないと困るのかということを考えることで、自分に合った改善方法を見つけることができます。
例えば私が最初に改善したのは、自分から挨拶をするということです。
私は相手が声をかけてくれるのを待っている人でした。自分から声をかけなかった理由は、自分から声をかけても、無視されたらどうしよう、自分から声をかけるのは格好悪いと思い込んでいたからです。
今までにコミュニケーションが苦手な人たちを観察してきて、気づいたことがあります。それは、コミュニケーションが苦手な人は、自分から挨拶をしない、声をかけないということです。苦手だから当然と言えばそうなのですが、声をかけてくれるのを待っているよりも、実は自分から挨拶をし、声をかけるほうがコミュニケーションはらくになります。
ここで注意点があります。挨拶は自分がするもので、必ずしも相手が挨拶を返してくれるわけではないということです。挨拶をされたら、返すべきと思っていると、返ってこない時にストレスになるので、こうすべきという思い込みを手放しましょう。
もうひとつ、コミュニケーションが苦手な人は「ありがとうございます」「すみません」「お願いします」という言葉をあまり言わない傾向にあります。これらは相手と信頼関係を築く上で、魔法の言葉になります。
コミュニケーション能力の高い人ほど、この魔法の言葉が自然に出ています。日頃、特に「ありがとう」という言葉をどれだけ言っているか、いろいろな人を観察してみてください。たくさん言っている人ほど、コミュニケーション能力が高いはずです。
このように、コミュニケーション能力をあげるためには、ほんの少しの改善をするだけでいいのです。あなたが今すぐに変えることができて、無理なく毎日やれることは何でしょうか?
例えば、
・声をかける時に「少しよろしいですか?」と前置きをする
・「鈴木さん、おはようございます」など、相手の名前を呼ぶ
・会話の最後には「ありがとうございます。またよろしくお願いします」と言う
など、少しの心がけでできることから始めてみてはいかがでしょうか?理想を高くしすぎて、ますます苦手にならないようにしてくださいね。
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