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会話のきほん

執筆者の写真: ひじかた えまひじかた えま

私たちが人生の中で多くの時間を使い、最も悩む問題は人間関係です。

人間関係のほとんどの困りごとはコミュニケーションが原因で起こります。


私はこの本を通して、あなたのコミュニケーション能力をあげ、人と関わることへの苦手意識と、人間関係で悩む時間を減らすお手伝いをします。

人間関係で悩む時間が減らせたら、あなたはやりたいことに、多くの時間を使えるようになります。


私は2004年から全国各地で、学生や社会人、地域のみなさんに、コミュニケーション研修や講演会をしています。受講生には、コミュニケーションが苦手という人たちが6~7割いらっしゃいます。その人たちに苦手な理由を聞いてみると、ほとんどの人が、


1.自分から声をかけるのが苦手

2.会話が続かない


と答えます。


この2つが改善できたら、コミュニケーションの苦手意識が減るのです。

では、なぜ声をかけることができないのでしょうか?


いくつか例を出しますので、あなたが声をかけることができるシチュエーションかどうか、考えてみてください。


(例1)

これから社内会議があるため早めに会議室に行ったら、苦手な上司が一人で座って待っていました。あなたは上司に声をかけることができますか?かける場合、どのように声をかけますか?


(例2)

あなたは異業種交流会に行きました。知り合いが一人もいません。他の人たちはすでに数名で集まって、和気あいあいと話をしています。あなたは誰かに声をかけることができますか?かける場合、どのように声をかけますか?


(例3)

新幹線や飛行機でとなりの席の人に声をかけることができますか?かける場合、どのように声をかけますか?


新幹線や飛行機で、わざわざとなりの人に声をかける必要はない、と思うかもしれませんね。実はこの事例は、どれも私自身、コミュニケーションが苦手だった時に、妄想トレーニングという手法で使っていた事例です。

妄想トレーニングとは、自分が誰かと会話をするいろいろな場面を想定し、どのように声をかけるか、どのように会話を完了させるか、具体的にイメージすることです。これをすることによって、コミュニケーションの苦手意識を改善し、実際に自分から声をかけられるようになった人たちがいらっしゃいます。


では、先ほどの例を解説していきます。

(例1)の場合、苦手な上司ではなかったら、例えば、次のように声をかけることができますね。

「おはようございます。部長、早いですね。他の人たちはまだのようですね」

ところが苦手な上司だと、姿を見たとたんに

「うわっ、最悪だ」


と思ってしまうのではないでしょうか?そうすると自分の内側が話したくないモードになり、挨拶をするだけで精一杯で、次の言葉が出てきません。そのような状況でも無理せず会話をするために、あらかじめ妄想トレーニングをしておきます。


自分から部長のところに行き、


「おはようございます。今日もよろしくお願いいたします」


と元気よく挨拶をし、自分の席に着くという自分を妄想するのです。苦手な部長だからこそ、なるべく会話をしたくないので、こちらから挨拶をして、すぐに会話を完了するという作戦を妄想しておきます。


(例2)の場合、すでに複数の人が集まって盛り上がっている状況で、声をかけることは難しいのではないでしょうか?私の場合、複数で盛り上がっていたら、場の流れを乱すのではないかと思ってしまい、どう声をかけたらいいか迷って、声をかけることができません。

そこで、一人でポツンとしている人を探します。そして、


「こんにちは。今日はお一人で参加されていらっしゃいますか?」

「はじめまして。みなさん、盛り上がっていますね。私はこのような場はちょっと苦手なのです」

「こんにちは。このような場所にはよく参加されるのですか?私は初めてなのですが」

というように、まず挨拶をしてから、一人でポツンとしている人が思っていそうなことを、妄想します。


さらに、


「お話しできてうれしかったです。ありがとうございます」

「お目にかかれてうれしかったです。今後ともよろしくお願いいたします」


と会話を完了するまでの妄想トレーニングをします。


名刺を渡す場合は、


「はじめまして。お名刺を交換させていただけませんか?」

と名刺交換の妄想トレーニングもしておきます。


 会話の始まりから終わりまでを妄想しておくことがポイントです。


(例3)の場合、これは少しハードルが高いかもしれません。

このシチュエーションで声をかけることができたら、どのような場面でも大丈夫でしょう。


「こんにちは。おとなり失礼致します」

「今日は暖かいですね」

「今日は雨がひどいですね」

「富士山がきれいに見えますね」


などのお天気や景色のネタが無難でしょう。

普通では声をかけないと思われる難しい場面で、声をかけるための妄想トレーニングをしておくと、他のシチュエーションが随分とらくに感じられます。

このように私はいろいろなシチュエーションをイメージし、自分から声をかけるための妄想トレーニングをしています。そのおかげで実際の場面でも、自分から声をかけることができるようになりました。妄想トレーニングについては、3章で詳しくお話しします。


コミュニケーションが苦手な人ほど、コミュニケーションに対する理想が高く、そのせいで自分から声をかけることができない、会話が続かないという状況になります。

この本では、以下のことをあなたにお伝えします。


1.あなたがコミュニケーションが苦手になってしまった原因を明らかにし、あなたの中にあるコミュニケーションに対する思い込みを外していきます。

このことがわかると、「な~んだ、気にしなくてもいいんだ」とか「もっとらくにコミュニケーションしていいんだ」と肩の荷が下りるはずです。


2.コミュニケーションを簡単に上手くできる方法をお伝えします。

コミュニケーションは何も難しくありません。なぜならコミュニケーションは主に聞く、話すという2つの手段を使っているだけだからです。

この2つをどう使うか少し意識するだけで、あなたのコミュニケーション能力があがります。


3.妄想トレーニングによって、あなたが苦手とする場面でも、自分から声をかけることができるようになります。

コミュニケーションが苦手な人は、場面によって柔軟に対応することが難しいため、あらかじめいろいろな場面を妄想しておくことで、コミュニケーションの引き出しが増えます。


4.相手のコミュニケーションの型を知ることによって、コミュニケーションで地雷を踏むことが無くなります。

コミュニケーションをする上で、人には大きく分けて、4つの型があります。積極的な感じの人、明るく元気な人、優しそうな人、思慮深そうな人の4つです。この4つの型によって、コミュニケーションのとり方を少し意識するだけで、相手に声をかけやすくなり、関係性が良くなります。


この本でお伝えしている方法を実践することで、あなたのコミュニケーション能力は磨かれていきます。今よりもらくに人と関わっているご自分をイメージして、この本を読み進めてください。



 
 
 

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